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空き家を解体して更地にすると固定資産税はどうなる?住宅用地特例の仕組み
この記事の要点
住宅の敷地には、固定資産税の課税標準を価格の3分の1(住居1戸あたり200平方メートルまでは6分の1)にする特例があり、解体して更地にすると対象外になります(地方税法第349条の3の2)。
特例の判断は毎年1月1日の賦課期日が基準です(地方税法第359条)。1月1日現在に住宅が取り壊されて駐車場になっていると、その年度は特例を受けられない例が、横浜市から案内されています。
解体しなくても、管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、その敷地は特例から除かれます(地方税法第349条の3の2第1項。勧告は空家等対策の推進に関する特別措置法第13条第2項、第22条第2項)。税額が一律に何倍になるとは言えません。
空き家を解体して更地にすると、固定資産税はどうなりますか?
土地の固定資産税を軽くする住宅用地の特例が使えなくなります。この特例の対象は、専ら人の居住の用に供する家屋などの敷地として使われている土地です(地方税法第349条の3の2第1項)。家屋を解体して更地(空地)になると、横浜市の案内では、「住宅用地の特例措置はありません」とされる非住宅用地として扱われます(横浜市「令和8年度 固定資産税のあらまし」9ページ)。
一方、家屋を取り壊すと、その分の税額は減ります(同28ページ)。土地と建物を合わせた税額が実際にどうなるかは、土地の評価額や広さによって変わります。
住宅用地の特例とは、どのような仕組みですか?
固定資産税の課税標準(税額を計算する基になる金額)を、価格の3分の1に引き下げる特例です。このうち、住居1戸あたり200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)は、6分の1になります(地方税法第349条の3の2第1項・第2項)。一戸建てなら、200平方メートル以下の部分が6分の1、それを超える部分が3分の1です。専ら居住用の家屋の場合、特例の対象になる土地の広さは、家屋の床面積の10倍までです(地方税法施行令第52条の11第2項第1号)。
都市計画税にも特例があります
都市計画税は、原則として市街化区域内にある土地・家屋に、市町村が課すことができる税金です(地方税法第702条第1項)。固定資産税と同じく、賦課期日は1月1日です(同法第702条の6)。住宅用地の特例では、一般の住宅用地は価格の3分の2、小規模住宅用地は3分の1になります(同法第702条の3)。
解体する時期によって、税額は変わりますか?
変わります。固定資産税の賦課期日(課税の基準日)は、その年度の初日の属する年の1月1日です(地方税法第359条)。住宅用地の特例も、その年の1月1日に住宅や共同住宅などの敷地として利用されている土地が対象とされています(横浜市の同資料9ページ)。
横浜市の案内には、昨年8月に住宅を取り壊して駐車場にした方について、今年1月1日現在は住宅を取り壊して駐車場として利用されていたため、今年度は住宅用地の特例を受けられなくなった、という例があります。反対に、年の途中で取り壊しても、その年の固定資産税は全額課税されます(同28ページ)。解体の時期は、売却や活用の予定と合わせて、市区町村や税理士にご確認ください。
なお、1月1日に、新たに住宅の建築が予定されている土地や、建築中の土地は、住宅用地に該当しません。ただし、建替えのために家屋が建築中の土地は、一定の要件を満たす場合に住宅用地として扱われると案内されています(同9ページ)。
解体しなくても、特例が外れることはありますか?
あります。市町村長から「管理不全空家等」または「特定空家等」として勧告を受けると、その敷地は住宅用地から除かれ、特例の対象外になります(地方税法第349条の3の2第1項、国土交通省の空家等対策の資料)。都市計画税の特例も、この住宅用地を前提にしています(地方税法第702条の3)。
管理不全空家等:適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態の空家等です(空家等対策の推進に関する特別措置法第13条第1項)。指導をしても改善されず、特定空家等に該当するおそれが大きいと認めるときに、修繕や立木竹の伐採などの具体的な措置を勧告できます(同条第2項)。
特定空家等:そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態など、周辺の生活環境の保全のため放置が不適切な状態にあると認められる空家等です(同法第2条第2項)。助言や指導をしても改善されないと認めるときに、勧告できます(同法第22条第2項)。
管理不全空家等の制度は、2023年12月13日に施行された改正法で加わりました(e-Gov法令検索の改正履歴)。解体、売却、修繕など、建物の状態に応じた対応を早めに考えることが大切です。
更地にすると、税額は何倍になりますか?
一律に何倍とは言えません。特例が適用されなくなるとは、課税標準を3分の1や6分の1に引き下げる軽減が使えなくなる、ということです。実際の税額は、土地の評価額をもとに、市区町村が計算します。住宅用地でなくなった土地は、住宅用地以外の宅地として計算されます。どのくらい変わるかは土地ごとに異なり、計算の定めは年度によって変わることがあるため、解体の前に、市区町村の税務担当にご確認ください。
お手元の固定資産税の納税通知書で、土地の評価額と課税標準額を先に確認しておくと、窓口での確認が進めやすくなります。
解体費用や補助金は、どうなっていますか?
解体費の目安は、この記事では示しません。建物の構造や広さ、立地、残置物の量などで変わるため、見積りで確かめる必要があります。
自治体によっては、解体費用を補助する制度がある場合があります。対象や内容は自治体ごとに定められているため、まず市区町村にご確認ください。例えば横浜市は、解体・売却に利用できる補助制度を紹介するページを公開しています。
何から始めればいいですか?
固定資産税の納税通知書で、土地・建物それぞれの評価額と課税標準額を確認する
市区町村から、空き家に関する指導や勧告を受けていないか、届いている通知を確認する
解体する、そのまま売る、譲る、貸す、管理を続ける、の選択肢を並べて比べる
解体する場合は、複数の見積りと、市区町村の補助制度の有無を確認する
解体の時期と、次の1月1日の土地の状況を確認する(市区町村や税理士に相談)
解体せずに手放す方法として、不動産を0円で譲るときの税金と費用や、価格の低い空き家の仲介手数料の特例も解説しています。株式会社HY(HY Consulting)は、現状の整理からご相談を承ります。税額の確認は市区町村や税理士に、登記は司法書士におつなぎし、連携して進めます。お問い合わせはこちらからどうぞ。
よくあるご質問
Q. 1月2日以降に解体した場合、その年度の固定資産税はどうなりますか?
A. 賦課期日は1月1日で、判断はその日の状況が基本です。1月1日に住宅の敷地として使われていれば、その年度の土地は住宅用地として扱われ、家屋の分は、年の途中で取り壊しても全額課税されると、横浜市は案内しています。個別の取扱いは、市区町村にご確認ください。
Q. 空き家のままなら、特例は続きますか?
A. 続くとは言い切れません。特例の対象は、専ら人の居住の用に供する家屋などの敷地です。勧告を受けた管理不全空家等や特定空家等の敷地は除かれます(地方税法第349条の3の2第1項)。ご自身の土地が対象かどうかは、市区町村にご確認ください。
Q. 解体と売却は、どちらを先にすべきですか?
A. 状況によって変わります。そのまま売るか、解体して更地にするかで、税額や手取りが変わる場合があります。税金の見通しは税理士に、市場での売りやすさは不動産会社にご相談ください。
Q. 株式会社HYへの相談は有料ですか?
A. 初回のご相談は無料です。現状の整理と方向性のご案内までを行い、実務が必要な場合は、事前にお見積りをご提示し、ご同意後に進めます。法律・税務・登記の個別のご判断は、各専門家へのご相談となります。
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は弁護士・司法書士・行政書士・税理士等の専門家にご相談ください。制度は改正されることがあります。記載内容は2026年10月時点のものです。
監修(不動産実務の観点):株式会社HY(横浜駅前の相続・空き家・事故物件・終活の不動産相談窓口)
代表取締役 田澤 英大(宅地建物取引士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP®/公認不動産コンサルティングマスター)
※法律・税務・登記の個別の判断は、監修の範囲に含みません。
宅地建物取引業 神奈川県知事(1)第033168号
横浜市西区北幸1-11-5 相鉄KSビル9階
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