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不動産を0円で譲るときの税金と費用|贈与税・登録免許税・不動産取得税

    2026/10/3

    • 0円物件・負動産の処分活用支援

    不動産を0円で譲るときの税金と費用|贈与税・登録免許税・不動産取得税

    この記事の要点

    • 個人から個人へ不動産を0円で譲る場合、贈与税を納めるのはもらった側です。暦年課税では1年間の贈与額の合計から基礎控除110万円を差し引きます(相続税法第21条の2、租税特別措置法第70条の2の4)。

    • 契約書の金額が0円でも、税法上の評価額が0円になるとは限りません。贈与で取得した財産は、取得の時の時価で評価します(相続税法第22条)。

    • 法人へ譲ると、譲る側は譲渡所得の計算上、時価で譲渡したものとみなされます(所得税法第59条第1項第1号)。登記にかかる登録免許税と、もらう側の不動産取得税も確認が必要です。

    不動産を0円で譲ると、税金はかかりますか?

    かかる場合があります。対価を受け取らずに財産を与える無償譲渡は、法律上は贈与です(民法第549条)。贈与税を納める義務があるのは、譲る人ではなく、贈与で財産を取得した人です(相続税法第1条の4、第21条の2)。

    贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、相続時精算課税は一定の要件に当てはまる場合に選べます。ここでは暦年課税で説明します。暦年課税では、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から、税のかからない枠である基礎控除額110万円を差し引いた残りに、贈与税がかかります。合計額が110万円以下なら贈与税はかからず、申告も不要です(租税特別措置法第70条の2の4、国税庁タックスアンサーNo.4402)。ここでいう価額は、契約書に書いた金額(0円)ではなく、後で説明する評価額です。

    110万円を超える場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、申告と納税をします(相続税法第28条第1項、第33条)。

    0円ではなく、安い金額を払って譲る場合は?

    名目上の金額を払っても、贈与税の問題が残る場合があります。個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けたときは、その財産の時価と支払った対価との差額が、譲った人から贈与で取得したものとみなされます(相続税法第7条、国税庁タックスアンサーNo.4423)。この場合の時価は、土地や家屋では、通常の取引価額に相当する金額とされています(同No.4423)。「著しく低い」かどうかは、個々の具体的な事案に基づいて判定されます。

    「0円で譲った」なら、税金の計算も0円で済みますか?

    済むとは限りません。贈与で取得した財産の価額は、取得の時の時価で評価します(相続税法第22条)。国税庁の財産評価基本通達は、時価を「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」とし、その価額はこの通達の定めによって評価した価額によるとしています(財産評価基本通達1(2))。

    つまり、契約書に書く金額と、税法上の評価額は別のものです。買い手がつきにくい不動産でも、契約上の金額を0円にしたことで、評価額が自動的に0円になるわけではありません。評価額や税額の判断は、税理士の業務です。

    なお、登録免許税や不動産取得税の基になるのは、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。契約書の金額とは別で、贈与税の評価額と同じとは限りません。

    譲る側にも、税金や責任はありますか?

    個人に譲る場合、譲る側にも確認しておきたい点が3つあります。

    • 贈与税の連帯納付:財産を贈与した人は、贈与した財産の価額を限度として、贈与を受けた人の贈与税について連帯納付の責任を負うと定められています(相続税法第34条第4項)。

    • 固定資産税:固定資産税の賦課期日(課税の基準日)は、その年度の初日の属する年の1月1日です(地方税法第359条)。原則として、その日に登記簿に所有者として登記されている人に課されます(同法第343条第1項・第2項)。年の途中で譲っても、その年度の分は1月1日の所有者への課税が基本で、負担の分け方は契約で取り決めることになります。

    • 所得税:所得税法第59条のみなし譲渡の対象になる贈与は、法人に対するものなどに限られており、一般の個人への贈与は含まれていません。ただし、もらう側に一定の債務を負担させることを条件にした贈与(負担付贈与)では、譲る側はその負担額で譲渡したことになり、譲渡益が生じる場合には所得税の対象となります(国税庁タックスアンサーNo.4426)。譲る側の所得税については、税理士にご確認ください。もらった側が後で売るときは、もらった人が引き続き所有していたものとみなして、譲渡所得を計算します(所得税法第60条第1項第1号)。譲った人の取得費と取得の時期を引き継ぐ、ということです(国税庁タックスアンサーNo.3270)。

    法人(会社)に譲る場合は、扱いが変わりますか?

    変わります。個人が法人に不動産を贈与すると、譲渡所得の計算上、その時の価額で譲渡があったものとみなされます(所得税法第59条第1項第1号)。これをみなし譲渡といいます。国税庁も、法人に対する贈与は時価(通常売買される価額)で資産の譲渡があったものとされると案内しています(タックスアンサーNo.3105)。

    契約上は0円でも、譲る側の所得税(譲渡所得)の計算の対象になりうる点が、個人間の贈与との大きな違いです。実際にどのような所得になるかは個別の事情で変わるため、税理士にご確認ください。国や地方公共団体などへの寄附には、別の取扱いがあります(同No.3105)。

    受け取る法人の側では、無償による資産の譲受けに係る収益も、益金の額に算入する定めがあります(法人税法第22条第2項)。

    もらう側には、贈与税のほかにどんな費用がかかりますか?

    主なものは、名義変更の登記にかかる登録免許税と、不動産を取得したときの不動産取得税です。

    登録免許税

    登録免許税は、登記を受けるときに国に納める税金です。贈与による所有権の移転登記は、不動産の価額の千分の二十(2%)です(登録免許税法別表第一 一(二)ハ、国税庁タックスアンサーNo.7191)。納める義務があるのは登記を受ける者で、登記を受ける者が2人以上いるときは、連帯して納付する義務を負います(同法第3条)。どちらが負担するかは、契約で決めておきます。

    不動産取得税

    不動産取得税は、不動産を取得した人に、その不動産が所在する都道府県が課す税金です(地方税法第73条の2第1項)。非課税とされる取得の中に、相続は挙げられていますが、贈与は挙げられていません(同法第73条の7)。課税標準は取得したときの不動産の価格で(第73条の13)、固定資産課税台帳に価格が登録されていれば、原則としてその価格によります(第73条の21第1項)。標準税率は100分の4ですが、住宅または土地の取得は、令和9年3月31日までの間は100分の3です(第73条の15、附則第11条の2第1項)。課税標準となる額が、土地は16万円、建築以外で取得した家屋は1戸につき34万円に満たないときは、課されません(第73条の15の2第1項)。宅地などの取得は、令和9年3月31日までの間、課税標準が価格の2分の1になります(附則第11条の5第1項)。

    贈与の契約書や登記は必要ですか?

    不動産の贈与は、契約書を作り、登記まで済ませておくことが大切です。贈与は、無償で与える意思の表示と相手方の受諾で成立しますが(民法第549条)、書面によらない贈与は、履行の終わった部分を除き、各当事者が解除できます(民法第550条)。

    契約書には、引き渡す時の状態や、固定資産税の精算、登録免許税など費用の分担を書いておくと安心です。贈与者は、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡すことを約したものと推定されます(民法第551条第1項)。もらう側に何かの負担を課す条件を付ける場合は、負担付贈与として別の規定が関わります(民法第553条)。負担付贈与では、土地や家屋の贈与税は、贈与の時の通常の取引価額から負担額を差し引いた価額で計算するとされています(国税庁タックスアンサーNo.4426)。税の扱いも含め、事前に専門家へご確認ください。

    登記は、登記権利者(登記上、直接に利益を受ける者。もらう側)と登記義務者(直接に不利益を受ける登記名義人。譲る側)が共同して申請するのが原則です(不動産登記法第60条、第2条第12号・第13号)。登記申請の代理は司法書士の業務です(司法書士法第3条第1項第1号)。株式会社HY(HY Consulting)は登記の申請を行わず、司法書士などの専門家と連携して進めます。

    何から始めればいいですか?

    1. 登記事項証明書で名義人を、固定資産税の納税通知書で土地・建物の評価額を確認する

    2. 譲る相手が個人か法人かを確認する(税の扱いが変わります)

    3. 税理士に、贈与税や譲渡所得などの見通しを相談する

    4. 費用の分担や固定資産税の精算を決め、贈与契約書にまとめる(作成は専門家に依頼できます)

    5. 司法書士に、所有権移転の登記を依頼する

    6. もらった側は、翌年2月1日から3月15日の申告期間を確認する

    ご自身で整理しきれない場合は、株式会社HY(HY Consulting)が現状の整理からご相談を承ります。税額の計算や申告は税理士が、登記の申請は司法書士が担当し、HYはこれらの専門家と連携して進めます。お問い合わせはこちらからどうぞ。

    よくあるご質問

    Q. 贈与税がかからない金額なら、ほかの手続きは要りませんか?

    A. 贈与税の申告が不要な場合でも、所有権の移転登記と登録免許税、不動産取得税は別の手続き・税金です。それぞれ確認が必要です。

    Q. 譲る相手が見つからないときは、どうすればいいですか?

    A. 無償で引き受ける人を探す方法があります。HYの提携先には、掲載物件のすべてが無償譲渡という空き家・空き地のマッチング支援サイト「みんなの0円物件」があります(HY Consulting「パートナー紹介」より)。引き受ける人が見つかるとは限らず、利用の条件や費用は同サイトでご確認ください。無償で譲る場合も、この記事で説明した税金や登記の費用はかかります。国が土地を引き取る制度については、相続土地国庫帰属制度の要件・費用を解説した記事をご覧ください。

    Q. 譲る前に建物を解体したほうがよいですか?

    A. 一概には言えません。更地にすると、土地の固定資産税を軽くする住宅用地の特例の対象から外れます(地方税法第349条の3の2)。詳しくは空き家を解体したときの固定資産税を解説した記事をご覧ください。

    Q. 株式会社HYへの相談は有料ですか?

    A. 初回のご相談は無料です。現状の整理と方向性のご案内までを行い、実務が必要な場合は、事前にお見積りをご提示し、ご同意後に進めます。法律・税務・登記の個別のご判断は、各専門家へのご相談となります。

    ※本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は弁護士・司法書士・行政書士・税理士等の専門家にご相談ください。制度は改正されることがあります。記載内容は2026年10月時点のものです。

    監修(不動産実務の観点):株式会社HY(横浜駅前の相続・空き家・事故物件・終活の不動産相談窓口)

    代表取締役 田澤 英大(宅地建物取引士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP®/公認不動産コンサルティングマスター)

    ※法律・税務・登記の個別の判断は、監修の範囲に含みません。

    宅地建物取引業 神奈川県知事(1)第033168号

    横浜市西区北幸1-11-5 相鉄KSビル9階

    https://hyconsulting2021.jp/

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