2026/1/26
不動産購入・売却・活用支援
湘南で相続したアパートの売却で損しないために!評価ポイントや注意点を解説
湘南で相続したアパートの売却を成功へ導く道筋:次世代へつなぐ資産整理をしよう!
親から相続したアパートを引き継いだものの、管理や維持が大変で売却を考えている方も多いかもしれません。アパートの売却は、一戸建てやマンションといった住宅の売却とは異なり、賃貸借契約を継承(オーナーチェンジといいます)する概念が入ってきますので、賃料、共益費、契約期間、敷金等の賃貸状況の正確な情報把握、入居者への配慮や収納方法の継承、収益還元法による評価基準など、住宅の売却にはない収益不動産の専門的な知識が必要になります。
この記事では、相続したアパートの売却を成功させるために、評価基準、物件の注意点、そして手続きの流れの順に解説します。
湘南エリアで相続したアパートの売却をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
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アパートの売却価格を左右する評価基準とその評価を高める工夫

ここでは、アパートの売却価格がどのように決定されるのか、価格を上げるために特に意識すべきポイントを解説します。アパートなどの収益不動産の評価方法は住宅と異なり、「不動産の収益性に着目した評価基準(収益還元法といいます)」を用いて算出されます。
アパートの評価基準の基礎知識
収益不動産の評価には、主に「収益還元法」が用いられます。収益還元法は、年間の賃料収入合計額を投資家の期待利回りで除して算出されます。例えば、年間1,000万円の賃料収入があり投資家が10%の利回りで購入する市況である場合、売却価格は1億円(=1,000万円÷10%)になります。さらに今の100万円と10年後の100万円では今の100万円のほうが価値が高いわけですが、この時間による貨幣価値の差を加味した評価方法としてDCF法があります。
また、金融機関は「積算価格(建物は原価法、土地は取引事例比較法)」も重視して評価します。これは一戸建ての住宅と同様の考え方で、建物と土地を別個でそれぞれの不動産価値を算出します。金融機関は何十年後でも融資した金額を回収できる見込みがある不動産であるかという視点で評価しますので、特に土地の評価額を重視します。金融機関の融資が得られやすい収益不動産は流通性も高まりますので、結果的に売却価格も高くなるということになります。
売却価格を向上させるための具体的な工夫
売却価格を向上させるためには「収支を改善させる」ことに尽きます。賃料を上げる、入居率を上げる、管理費を下げるなどが実現できれば収支は改善されます。例えば、外観や内装をバリューアップして賃料と入居率が上がりますし、委託事業者の選定を行いコストダウンできれば支出が下がります。
また、建築確認済証や検査済証、建築図面、賃貸借契約書などの書類の原本を揃えておく、賃貸状況を正確に反映したレントロールを作成しておく、入居審査・滞納保証付きで入居させる、物件の清掃と入居者管理が行き届いているなど、日頃の賃貸経営の積み重ねが売却価格に反映されるものです。
周辺環境や立地条件と期待利回りの関係
収益還元法は「年間賃料÷期待利回り」で算出されます。年間賃料は収支を改善することで高まります。では、期待利回りは何が決まってくるかといいますと、ほぼ立地条件で決まってきます。都心5区であれば今後も賃貸需要が旺盛であること見込まれるため、投資家は利回りが低くても空室リスクが低いという判断から購入に至ります。一方、地方になりますと、空室リスクが高いためある程度のリターンが見込めないと購入しないという判断になります。期待利回り(リターン)が高いと立地条件(リスク)が悪くなり、逆に期待利回りが低いと立地条件は良くなります。
さらに、木造、鉄骨、RCなどの建物構造・間取り・築年数によるリスク、住居、店舗、事務所などの用途によるリスクなどと立地条件を総合的に勘案して評価されますので、立地条件に適した建物と用途(最適用途といいます)であるかも重要です。
賃貸中の相続したアパートの売却で注意したいこと

ここでは、入居者がいる賃貸中のアパートを売却する際に知っておくべき手続きや契約上の注意点を解説します。賃貸中のアパート売却は、「オーナーチェンジ」という形式になりますが、買主や入居者への配慮が欠かせません。この手続きをスムーズに行うことが円滑な売却の鍵を握ります。
賃貸中のアパート売却時の「オーナーチェンジ」とは
オーナーチェンジは、入居者との賃貸借契約もそのまま買主に引き継いで売却する方法をいいます。
原則、貸主としての地位、権利義務すべてが買主に承継されます。入居者との賃貸借契約に特段変更はありませんので、入居者へ売却することに対する事前の通知などは不要です。売却完了後に「貸主変更通知」を送りオーナーが変更となったことや賃料支払方法が変更になる場合はその旨を通知するにことなります。
レントロール(賃貸状況一覧)の作成と留意点や契約面での確認事項
オーナーチェンジでの売却手続きを進めるうえで、賃貸状況を一覧化した「レントロール」を作成するのが一般的です。レントロールには、各住戸の入居者名、専有面積、賃料、共益費、敷金、契約時期、契約期間などをまとめて記載します。このレントロールを見て購入判断することになるため、誤った金額を記載した際には大きなトラブルに発展しますので、細心の注意を払って確実な内容を記載しましょう。また、入居者名を開示する際は個人情報にあたりますので、商談が具体化して買主から情報取扱いの念書などを取得してから開示するのが好ましいでしょう。
オーナーチェンジで売却するか、空室にしてから売却するかの選択
不動産は面白いもので、オーナーチェンジでの売却価格と空室での売却価格は異なります。その理由は評価方法の違いで、オーナーチェンジの場合は収益性に着目した収益還元法による評価方法になりますが、空室の場合は建物と土地としてのそれぞれの価値を評価する取引事例比較法及び原価法による評価方法にあります。
では、どちらのほうが高いのか安いのかということですが、答えは、立地条件、建物構造と築年数、賃貸状況などにより異なります。都心×駅近の立地にある築浅のRCビルの場合、居住用途の他、商業性・事業性の用途が検討できるため賃料のアップサイドが見込めるためオーナーチェンジのほうが高く売却できる可能性が高くなります。一方、同じ立地でも築50年木造アパートだった場合、建て替えたほうが収益性が高く見込めるため、空室のほうが高く売却できる可能性が高くなります(立ち退きが不要となるため)。
ただし、空室にする、つまり入居者に立ち退きを交渉するには借地借家法に基づく正当事由が必要で、立ち退き料など支払い合意を得たうえで退去してもらうケースが多いです。また、立ち退き交渉は非弁行為に該当するため弁護士法により資格を有した者しかできないものとなっていますので注意が必要です。
相続したアパートを売却する際に知っておくべき手続きの流れ
ここでは、相続したアパート売却の具体的な手続きの流れを解説します。相続不動産の売却は、名義変更、相続税に関する評価など、多くの準備が伴います。売却を検討するときには、一般的な手続きの流れを事前に把握することで、計画的に準備を進められます。
相続後の売却に必要な準備と一般的な流れ
相続したアパートを売却するときの一般的な流れは、次のとおりです。
一つ目に、不動産の名義を相続する人の名義に変更する手続きである(相続登記)を行います(2024年4月からは相続登記が義務化され、相続開始を知った日から3年以内の申請が必要です)。二つ目に、物件調査、市場調査、価格査定を行い、売却価格を決定します。三つ目に、売却活動を開始し、買主が見つかれば、売買契約を締結し、決済と物件の引き渡しを行います。四つ目に、売却益が生じる際は、確定申告により譲渡所得税を納税して、一連の流れが完了します。
相続不動産の専門家に相談するタイミング
相続したアパートの売却においては、相続登記(司法書士)、相続税などの税金(税理士)、物件調査と売却計画の立案と実行支援(不動産コンサルタント)など、様々な専門家のサポートが必要になります。そのため、できるだけ早い段階で、相続不動産に詳しい専門家に相談するとよいでしょう。
決まりがあるわけではないですが、一般的には四十九日法要までは故人の死を偲ぶ期間とされ、四十九日法要で親族が集まるタイミングで遺産分割についての話し合いを始めるということが多いようです。その話し合いのときに、ある程度の手続きの流れや準備する書類、不動産の評価額等を把握しておいたほうがスムーズです。
そのため、各専門家に相談するタイミングとしては、ご相続発生後行政手続き等が落ち着いたら早めに相談されるのがよろしいかと思います。特に、遺言書がない場合や、相続人が多いときは、専門家のサポートを受けることで、後のトラブルを回避し、売却手続きをスムーズに完了させることにつながります。
売却時にかかる税金の種類
相続したアパートを売却し利益が出た場合、譲渡所得税(所得税・住民税)が課税されます。売却価格から購入時の取得費と売却時の譲渡費用を差し引いた利益(譲渡所得)に対して、所有期間等に応じた税率を乗じて税額が算出されます。その他、登記費用にかかる登録免許税、売買契約書に貼付する印紙税なども必要です。税金の計算や手続きについて不安な点は、税理士もしくは最寄りの税務署に相談するとよいでしょう。
【Q&A】相続したアパートの売却についての解説
Q1:アパートの売却価格を決める評価基準にはどのようなものがありますか?
A1:主に収益性に着目した「収益還元法」と、建物は「原価法」、土地は「取引事例比較法」を用いた「積算価格」から最適用途を検討しつつ総合的に評価します。
Q2:入居者がいる賃貸中のアパートを売る際の注意点を教えてください。
A2:賃貸借契約をそのまま買主に引き継ぐオーナーチェンジが一般的です。建物構造と築年数立地条件、賃貸状況などによって、空室で売却したほうが高く売却できる場合もあります。
Q3:相続したアパートの売却を始める前に行うべき手続きは何ですか?
A3:まずはアパートを誰が相続して売るのか維持するのかを決めて(遺言書検認もしくは遺産分割協議)、相続登記を進めます。その意思決定の参考資料として、売却想定価格がわかると判断しやすいため不動産会社に査定をとっておくとよいでしょう。
著者情報

◆ 氏名
田澤 英大|株式会社HY 代表取締役
◆ 専門分野
相続不動産コンサルティング/終活支援・老後資金設計(空き家・負動産・事故物件・共有名義の整理を含む)
◆ 実務経験・実績
宅地建物取引士【免許番号:神奈川県知事(1)第33168号】
株式会社HYを設立し、代表取締役として横浜駅前を拠点に活動
前職(株式会社鎌倉新書)にて相続・介護・空き家問題に特化した不動産事業の立ち上げに携わり、延べ1万件以上の相談に対応
◆ 信頼性要素
1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)/公認不動産コンサルティングマスター
◆ ひとこと方針
「売却を前提とせず、お客様の『未来のビジョンや夢』から逆算して、後悔のない選択を一緒に考えます。」
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